2013年7月12日金曜日

世界で最も革新的な都市に選ばれたコロンビアのメデジン

メデジンの夜景

かつて巨大麻薬組織メデジンカルテルが存在し、世界で最も危険な都市と言われたメデジン。



ウォールストリートジャーナルとシティグループが実施した2013年の『今年の最も革新的な都市(Innovative City of the Year)』コンテストで、1位に輝きました。

コンテストは、世界の200の都市から審査と投票によって25の都市に絞られ、さらに投票によって3つの都市が最終選考に残りました。

残ったのは、メデジン(コロンビア)、ニューヨーク(アメリカ)、テルアビブ(イスラエル)。






メトロシステムや、ケーブルカーなどの近代的な交通網を発達させ、斬新なデザインの公立図書館、そしてスラム街や学校に設置された屋外エスカレーターが社会統合に貢献していることが評価され、メデジンがグランプリを獲得しました。


犯罪発生率がかつて世界最悪だったこの街を、一流のデザインによって解決策を見いだす術を世界に示したのです。


以前の市長セルジオ・ファアルドと都市計画の指導者アレハンドロ・エチェベッリは、麻薬と殺人で有名になったこの街を建て直す計画を始めました。


まず、スラム街など最も貧しいエリアに、観光資源にもなり得る斬新なデザインの美しい図書館や美術館を作りました。

Orquideorama



しかし、危険なエリアへ好んで行く人はいません。


そこで、都市部と貧しいエリアを繋ぐためのケーブルカーを整備し、山(スラム街)に屋外エレベーターを設置しました。


公共の交通機関としてケーブルカーと屋外エレベーターを利用した世界で初めての例です。


これらの交通手段によって、スラム街の人は市街地へアクセスをし、仕事を見つけ、市街地へ住む人も図書館へ行きます。

図書館では、無料で本を借りることができ、さらにコミュニティースペースを利用して、貧しい人とそうでない人の繫がりを持つ場所を作ったのです。

このコミュニティースペースからいくつものプロジェクトが現在も動いています。


また、ケーブルカー、屋外エレベーターだけでなく、地下鉄、電車を含んだ近代交通網を発達させたことで、大幅に通勤時間を削減させることに成功しています。

スラム街と市街地を繋ぐケーブルカー

今は新しい市長がこの構想を引き継ぎ、創大な計画は今も続いており、汚れた川を甦らせるプロジェクトなど、大規模なプロジェクトが何件も進行中です。


革新的な都市グランプリもそうですが、世界に向けての強いメッセージを発信し続けるメデジンは、海外からも高く評価され、多くの注目を集めており、海外から来る活動団体、企業、旅行者、都市開発研究者も年々増加しています。





EPM図書館
エスパーニャ図書館公園
レオンデグリフ図書館




メデジンが現在のように発展したのはこの10年間。

都市をデザインするコンセプトに「貧困層との調和による犯罪の削減」を描いたのだと察します。

道路も施設も新しく、政府が力を注いできたことを強く感じます。


急ピッチで進んだ街の発展の陰で、追いやられていった人々がいることも確かです。


また、犯罪の減少は成果を表していますが、麻薬や犯罪によって生きていた人の精神は、そう簡単に変わるものとは思えません。


彼らがどこで何をしてるのか、メデジンの光と影を追いかけていきます。