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2013年8月27日火曜日

ファベーラのコミュニティ開発:最後の3日間

8月1日にリオデジャネイロに到着し、8月6日から始まるプロジェクトへ参加させてもらえることが決まりました。

リオデジャネイロにあるファベーラの1つ「ボレロ」で、現地コミュニティーからの需要を聞き出し、コミュニティ内のリソースを使って、現地で何かを建設する20日間のプロジェクトでした。

最後の一週間を除いて、月曜日、水曜日、日曜日は現地での活動は休みでしたので、およそ13日間のプロジェクトでした。


13日で、何を残せるのか。


最後の3日間について書きます。



【活動11日目】

情報のシェアとルート確認


これまでに資材提供の了承をしてくれた店舗などの情報を共有し、グループに分かれて、エリアごとに資材の引き取りに行きました。


そして、建設現場となるフットボールコート横のお宅の了承を前日までに得ており、資材を仮置きさせていただきました。


コミュニティ内でも引き続き、資材の調達を行いました。
また、現地での施工作業に協力してもらうよう、呼びかけて回りました。



コミュニティ内での協力者と資材提供者探し


資材回収

資材運び



【活動12日目:施工】

この日は、多くの協力者が集まりました。
資材も追加で調達することができ、いよいよ着工です。


以前に作成した模型によって、設備の配置のイメージはあるものの、施工手順や、設計図がまるで存在しないので、想像力を働かせながら話し合って、廃材などを組み合わせて作っていきます。



ブランコ、滑り台チーム


テーブル、ベンチチーム
【最終日】

この急な坂道を上って降りるのも、この日が最後か、と思いながら現場へ向かう。

急な坂道、伝わりますでしょうか。



6:00に家を出て、現地に着くのは8:00。 

最後の力を振り絞りました。



最終的に出来上がったのは、


・鉄棒
・滑り台
・ベンチ
・テーブル
・ベンチの屋根
・ケンケンパ?みたいなやつ
・花壇
・ゴミ箱













運良く参加させていただいた今回のプロジェクト。


一緒に活動したのは、それぞれ国籍の違う7名。

アイルランド、アルゼンチン、チェコ、エジプト、ポルトガル、チリ、そして日本。


ポルトガル語が喋れないのは私だけではありませんが、

正直、全く役に立ててないようなときもあり、自分のできることを一生懸命探していました。


グループの一員として働くことに向かないのは、自分が一番よく知っており、苦しいときもありましたが、みんなが本当に温かくて、居心地がよかったです。



今の活動を始めて、素敵な人達に会える機会が増えているように感じています。


最後の仕事を終えて記念写真



初めて出会う国籍の違う7人が、初めて訪れるブラジルのファベーラで、地域の人を巻き込みながら、13日間でコミュニティー内に何かを残しました。


これまでのハイチ、コロンビアの活動とは違い、感動がありました。


理由は、チームで目的を持って取り組んだこと、体力的にも精神的にも決して楽なプロジェクトではなかったこと、形として残せるものがあったこと。 です。



本来、「貧困」という巨大な社会問題へ立ち向かう道のりは険しく、地味です。



地域開発の積み重ね、意識変革の積み重ねが、少しずつ環境を改善していきます。
未来を変えていきます。



しかし、「喜び」という感動を含んだ短期間でのプログラムを組むことによって、参加しやすさや、多くの人を巻き込む可能性を持っていることを確認できました。




同時に、全く光の当たらない地味な活動への興味が以前よりも湧いてきています。


もはや一部の先進国では、感情のベクトルや上限が制限され、

「喜び」を錯覚させられ、お金を払っても「哀しみ」や「苦しみ」という感動を味わうことができないまま一生を終える人もいます。


そういう意味では、一般には味わえない感動を選びながら生きていきたいことを確認した、今回のブラジルでの活動になりました。










2013年8月22日木曜日

資材提供の呼びかけ: 8日目9日目10日目

7日目に地域の皆さんと一緒に作った模型を参考にして、今週末に、実際に設備を作ります。


そこで、必要な資材をリストアップし、


コミュニティー内だけでなく、リオデジャネイロの街中の商店へ行き、資材の寄付のお願いをしました。



商店で寄付のお願いをする様子


コミュニティー内でも、資材の寄付と、今週末に作業を手伝ってくれる人を集めるための呼びかけを行いました。



コミュニティー内での呼びかけ①





コミュニティー内での呼びかけ②




協力してくれる人も多く、少しずつ資材も集まっているところです。









2013年8月19日月曜日

模型を使っての製作物について話し合い:6日目7日目

6日目は前日に引き続き、廃材や段ボールなどを使って、フットボールコートの模型を複数用意しました。


フットボールコート横のスペースを有効利用するために何を作るか、という話になります。





模型製作の様子



そして地域にイベントの宣伝活動を行いました。




7日目はイベントを開催しました。

まずは我々のこれまでの活動と、これから何をしようとしているのかを紹介しました。


そしてコミュニティーの中で意見を持っている方に立っていただき、問題点などを主張していただきました。


コミュニティーにリーダーがいないこと、政府の対応がいつも遅いことや、途中で終わってしまったこれまでのプロジェクトの話や、他のコミュニティーについて知っていることなど、様々な意見が出てきました。



1つのプロジェクトで、全てが解決することはありませんが、地域の開発というのは、こういった話し合いの積み重ねによって少しずつ前進していきます。





そしてグループに分かれて、模型と粘土などを使って、話し合いながら完成イメージを考えました。





地域の皆様と一緒に意見を出し合いながら、何を作るべきかという話をしました。


模型を使ったデザイン



最後に、コンセプトや必要な材料について発表してもらいました。



今週、これを形にしていくためのアクションを行うことになります。


















2013年8月16日金曜日

模型製作用の材料集め(5日目の活動)と治安、格差についての気づき

模型製作の材料集め


子供達に手伝ってもらって、コミュニティー内で模型の材料として使えそうなものを集めて回りました。


段ボール、ペットボトル、木材など。

ゴミを拾ったり、お店を訪ねて、使わないものを譲ってもらいました。





模型製作


土曜日にマーケットを開催しますが、その際に、何をどのように作るのかを話し合う機会を作ります。


複数の模型を使って、製作するモノを話し合います。







最近の気づきを少し紹介します。

ファベーラ(BOREL)の人達はとてもフレンドリーで、いつも声をかけてくれるし、挨拶に笑顔で答えてくれる人がほとんどです。

また、写真を撮ってくれって向こうから言ってきます。






コロンビアのスラム街では、カメラは出せませんでした。

コロンビアでは、カメラで撮影したために、襲われたという話をよく聞きます。

金銭に変えるためにカメラを奪うというよりも、データを消去させられる話をよく聞きました。




仮設ですが、


コロンビアのスラムの治安はめちゃくちゃ悪いです。

「困窮」「赤貧」のレベルに置かれた人も多いうえに、警察の力が及ばず犯罪者が身を隠すために最適な場所になっています。


ギャングの構成員として国家警察からマークされているという自覚があれば、カメラで撮影されることも、自分がそこにいることすら明らかにされたくないはずです。


一方、ブラジルのファベーラも同じような状況にあり、治安を改善するために警察の支配力を及ばせるための戦いが、数年前からあちこちのファベーラで起こっています。

結果、警察の支配が及ぶようになった地域は次第に治安が回復していっていると言われています。

私が活動中のBORELは既に警察の力が及ぶようになり、犯罪組織やギャングは追放されています。


リオデジャネイロ警察の腐敗については、前にも書きましたが、
http://travelfortellingpoverty.blogspot.com.br/2013/08/blog-post.html


実際にBORELのファベーラ内で仕事をしている警察は、若い人が多いです。また、エリアの広さに対しても、警察の数が多いことに気づきます。

そして心なしか、ダラダラ仕事をしている印象をうけます。

ですが、地域の巡回と、集団でそこに居座っているだけでも治安維持の効果はあります。





BORELの中には、本当に貧しい暮らしをしている人がいることは否定しませんが、住民の明るさ、治安の良さから、

「貧しい」ではなく、「裕福ではない」が適切な表現なのかもしれません。



家がボロいだけ。


なのかというと、そうでもありません。


やはり、「医療」「教育」に手が届かないのは、コロンビアのスラムと同じようです。



特に、教育面においては、ファベーラの子供達に限らず、ブラジルに巨大な格差を生み出している最大の原因とも言えます。


コロンビアでは、ウリベ前大統領が精力的に学校の数を増やす努力をしてきました。

おかげで、授業の質は低いけれど学校(中学校まで)へ行くことはそれほどハードルが高いものではなくなりました。


以前活動させてもらったメデジンのスラム街の子供も昼までは学校へ行っている子供が多かったです。



しかし、ブラジルのファベーラ(BOREL)では、昼間から地域に子供達が溢れています。

サッカーをしたり、凧揚げをして遊んでいます。


一方、ブラジルの富裕層の暮らしは、本当に驚くほど豊かです。

プール付きの豪邸に住み、車を何台も所有しているような見た目の豊かさだけでなく、家族を愛し、勉強熱心でありながら、洗練された高い倫理観を持っています。



ブラジルが社会問題に立ち向かうために教育に力を入れたのは随分前の話です。

ブラジルと聞いてオープンな性文化をイメージする人もいるかと思いますが、


不特定多数とのセックスで無計画に、絆の薄い大家族が増え、それが貧困のサイクルを生み出していることに気付いたブラジル政府は、性教育、倫理教育に力を入れてきました。


その結果、今のブラジルの若者の中には、世界的に見ても卓越したレベルの道徳心と振る舞いを身に着けた人が多くいます。


ですが、残念なことに、最もそのような教育が必要である貧困層に、教育が行き届いていないのです。


豊かな人がより豊かになりましたが、貧しかった人の暮らしはあまり改善されていないようです。




リオデジャネイロは、「二極化」をリアルに感じさせます。

ファベーラで育ったか、高級住宅地で育ったか、

2種類の人間がいるようでもあります。


実際に、ブラジルには巨大な貧富の差があります。


貧富の差を表すジニ指数というものがあります。

年度の違いがありますが、このデータだとブラジルは世界11位の格差があることになっています。
http://www.infoplease.com/world/statistics/inequality-income-expenditure.html

アフリカと南米で上位を独占しているようです。

都市で比較するとリオデジャネイロはワースト3には入るんではないでしょうか。


ちなみに、このジニ指数によると、日本はデンマークの次に貧富の差がないことになっています。

凧揚げをする少年

高級住宅街









2013年8月14日水曜日

夢の仕分けと聞き込み調査:4日目の活動

タレントショーの時に、夢を描いてもらったツリー


書いてある1つ1つの「夢」を分類しました。


-非現実的なもの、教育分野のもの、コミュニティー内にすでにあるものやリサイクルできるもの

というカテゴリーに分類していきます。



特に複数人が挙げているものや、実現可能なものについて頭に入れた上で、地域住民への聞き込み調査を行いました。



聞き込み活動の様子


聞き込みによってさらに、現実的で、住民が本当に求めているものを明らかにしていきます。



最後にみんなの意見をシェアしてこの日は終了。


今週末には、前回のタレントショーとは違う、大人向けのイベントを開催します。





2013年8月12日月曜日

タレントショーの開催:3日目の活動

8月10日(活動3日目)

タレントショーに向けての会場作り、最後の告知活動

を行いました。


最後の告知活動


会場作り



タレントショーの目的は、地域との距離を縮めること。

我々がここで活動することを受け入れてもらいやすくすることです。



タレントショー本番


そして、ショーの終わりに、我々が何者なのか、何をやろうとしているのかについて説明。

スクリーンを使っての活動説明


その後、グループに分かれて地域の問題について話し合いました。


話し合いのようす


話し合いの様子②

本当に真剣に話をしてくれました。


そして、発表。


発表の様子



これによって、地域が抱える問題、何が本当に求められているのかを明らかにしていきます。



これは、ELOSが推奨するコミュニティー開発の方法論の第三段階 「Dream」。


問題の理解とやるべきことを明らかにしていきます。





ブラジリアン柔術のファイター。ショーの最後を飾ってくれました。







2013年8月10日土曜日

タレント発掘とイベントの告知活動(2日目)

プロジェクト2日目の今日は、明日のタレントショーに向けた人材発掘とイベントの告知活動を行いました。

カイトを作って見せてくれました。



ファベーラ(BOREL)の中を歩き回り、住民へインタビューをしながら、タレントショーに出てくれる人を探しました。

目的はイベントではなく、コミュニティーとの仲を深めること。

そして話題性を作り、注目を集めること。


プロジェクトを実行しやすくするための環境を作るための活動です。



BORELはとても平和で、皆さんとても親切です。


住民に住民を紹介してもらいながら、巻き込み、発掘、拡散を同時に行いました。

また、家や店の奥の方まで、いろいろと見せてもらうことができました。




踊れる人、モノ作りの職人など、多くのタレントを発掘しました。

ブラジリアン柔術のチャンピオンだそうです。




さらに夕方からはビラを配りながらBORELの隅から隅まで歩いて、イベントの告知活動を行いました。

私も、「Nós temos um show de talentos amanhã às 15:00.」 と、棒読みでがんばりました。





今回のプロジェクトで用いられる革新的な方法論では

6つの段階的なアクションを起こします。


1、Appreciative Gaze/ 鑑賞・熟視

2、Affection / 情愛

3、Dream / 夢・目標

4、Care / 気遣い・問題解決

5、Miracle / プロジェクト実行

6、Celebration / 奉祝


それぞれのアクションの目的と効果についてまた説明します。


昨日のコミュニティー探索での資源発掘とアイディアのシェアは最初の「鑑賞・熟視」。

そして今日行なった、タレントショーへの参加の呼びかけと宣伝活動を通しての地域住民とのコミュニケーションが「情愛」。


世界各国から寄せ集められた僅か6,7人のメンバーが、明日の活動3日目でイベントを開催します。


このプロジェクトをまとめている2人のリーダー(リオデジャネイロ大学の学生)が素晴らしいです。


私を含め、メンバー全員がポルトガル語を話せるわけでもなければ、英語を話せない人もいます。


リーダーはステップごとに目的と注意点を話すだけでなく、チームの明るい雰囲気を保ちながら、英語、ポルトガル語、スペイン語で、全員とコミュニケーションを取ります。

そして現場へ同行することはせずに、進捗の管理と次のアクションに向けた準備を行っています。

毅然とした態度、相手をリスペクトする姿勢にも、とても感心しているところです。


明日も長い一日になりそうですが、楽しみです。








2013年8月9日金曜日

ファベーラでの活動初日

家から活動現場となるファベーラ「BOREL」まで、バスで2時間以上かかりました。

明日からは5時半に起きます。

ファベーラ「BOREL」





ファベーラを見て、カッコいいなって思ったのが正直な感想です。

よろしくない感情かもしれませんが、カッコいいと思いました。




今日はプロジェクト参加者と初顔合わせ。

国籍は、チェコ、チリ、アルゼンチン、ブラジル、ポルトガル、そして日本。



Oasisの方法論を用いたコミュニティー開発の始まりです。


まず、少人数のグループに分かれ、ファベーラ内を散策し、それぞれが感じたことや、資源として利用できそうな建物、美しいと感じたものについてピックアップし、シェアします。


リソース探し



アイディアのシェア



ファベーラの中にあるレストランで、昼ご飯を食べ、

午後からまた、グループに分かれて住民のインタビュー。


インタビューを始める前に、


聞くことの大切さ、コミュニケーションによって距離を縮めていくこと、質問してどんどん話をしてもらう手法についての説明がありました。


そして目的は距離を縮め、コミュニティーの歴史や、人それぞれのストーリーを聞き出すこと。

特に、長く住んでいそうな人をターゲットにし、個人のストーリーとコミュニティーのストーリーを聞き出しながら、信頼関係を築き、本当の需要を探っていきます。



そして、みんなでインタビューで得た情報をシェアし、コミュニティーの人達はどういった特徴を持つのか、何を大事にしているのかについて考えます。



土曜日(2日後)には、コミュニティー内でタレントショーを行う予定にしているので、それに向けたそれぞれの役割や、企画について話し合いました。


今日のまとめ会議


これが初日、今日の動き。

スピード感いいですね。

リオデジャネイロ大学の学生のリーダーシップも見事でした。



BORELの住民の皆さんもとても親切でした。

コロンビアや他のスラム地域では考えられないほど、平和でした。

明日もがんばります。





2013年8月6日火曜日

リオのファベーラ②諸事情と歴史、撤去計画

ファベーラとはブラジルにおいて、スラム街や貧民街を表すことば。


ブラジルの大都市や中規模都市の郊外へ不法居住者が建てたものや、

既存の町がスラム化したファベーラがある。


夜のファベーラ





中でもリオデジャネイロのファベーラが有名で、4人に1人がファベーラに住んでいるとされている。


コンクリートやレンガで作られた家から、廃材で作られた家など様々であるが、いずれも無断で建てられている。


衛生状態は悪く、下水処理や病気に悩んでいる。


不法に建てられた家なので、住所はない。



ファベーラによっては、夜には家々に明かりがきらめいているが、これらは付近の電線からの盗電である。


都市周辺の山の斜面に建てられたファベーラも多く、大雨の後には地すべりが起き、家屋の倒壊などの被害が出る。


ファベーラの人々は、ファベーラの外で低賃金の仕事につくことが多い。

失業、ドラッグ、ギャング同士の抗争といった社会問題を抱える。


1895年から1896年にかけて政府と反乱軍の間で起こったカヌードス戦争で、政府は反乱軍鎮圧のため、元奴隷の黒人らを徴兵した。

政府が勝利したこの戦いで、任務を終えた元兵士は、当時の首都リオデジャネイロへ移住したが、政府は彼らへ住居を提供することができず、丘の上の公共の土地へ自らで家を建て、新しい街を作った。

さらに、奴隷から解放された黒人たちもファベーラへ流入し、貧民街となっていったり、

逃亡した黒人奴隷が山の斜面に村落を築いたことにより形成されているものもある。




1940年代から進められた産業化によって、都市部への人口流入は加速し、1970年代にピークを迎える。

低層住宅の立ち並ぶスラム化した地区から溢れた人々は、丘の上に不法住居の家屋を築いていった。


ファベーラはどれも異なった時期に異なった経緯で形成されているが、最終的には、貧困層の住む地域という共通点を持つに至っている。



ファベーラ撤去計画



ファヴェーラの爆発的拡大を受けて、ブラジルの政府はファヴェーラ撤去運動に乗り出した。

1940年代の「Parque Proletário」計画では、リオの貧困スラムが撤去され、住民たちは新しい公営住宅に建て変わるまでの間小屋などに仮住まいした。

しかし公営住宅は少量しか作られず、住宅改良工事のために更地になった場所に新たなファヴェーラが誕生しただけだった。

1955年、レシフェ司教でリオデジャネイロ補佐司教のエルデル・カマラは、連邦区の財政支援を受け、当時最大のファヴェーラであったプライア・ド・ピント(Praia do Pinto)に集合住宅群を建てるという計画「Cruzada São Sebastião」(聖セバスティアヌスの十字軍、セバスティアヌスはリオの守護聖人)という名の計画を立ち上げた。


この「十字軍運動」は、ファヴェーラ生活の悪徳を断ち切る意思のある者だけを新住宅に入居させ、彼らを受け入れられやすい市民とすることであった。


1970年代の軍事政権時代にも、貧者のための住宅計画という名目でファヴェーラ撤去計画は活発化した。

しかし実際に起こったことはファヴェーラの解体と、その住民がより郊外の生活基盤のない土地へと移転させられた事態であった。

ファヴェーラの跡地には安い郊外住宅ができたが、そこからファヴェーラ旧住民に配分される利益では、旧住民らが新しい住宅に入るだけの収入とはならず、この計画は破綻していった。






2013年8月4日日曜日

リオのファベーラ①

File:Rocinha Favela.jpg


2014年のワールドカップと2016年の夏季オリンピックを開催するにあたり、リオデジャネイロの警察は、市内に散在するファベーラを麻薬組織やギャングから制圧する手段を模索している。

これらはリオデジャネイロのスラム、ファベーラについての事実である。


リオデジャネイロにはおよそ1000箇所のファベーラが散在している。

UPPsが設立されて3年間で18のファベーラを制圧した。

2014年には40のファベーラを制圧することを目指している。

600万人の人口のうち、20%がファベーラで生活している。


年間に警察に殺される人の数の平均が、アメリカ全体の3倍である。


リオデジャネイロでは、年間に、10万人当たり37件の殺人が発生している。
ロンドンでは10万人あたり、1.9件。


2010年の調査によると、リオデジャネイロのRocinhaは南米で最大のファベーラで、69,300人が居住している。実際には、150,000人が生活していると推定される。


resource: The Telegraph (Rio favelas: Key facts and figures)








ブラジルで最も危険なリオのファベーラ掃討作戦と警察の腐敗

2016年のオリンピック開催に向けて、リオデジャネイロを安全にするためのスラム街での武装警察と危険な麻薬カルテルとの戦い


File:Office Towers and Favela - Rio de Janeiro - Brazil.jpg

リオデジャネイロには、危険なことで知られるファベーラと呼ばれるスラムに数百万人が住んでいる。ブラジル政府は、2014年のワールドカップと、2016年のオリンピックという2つの大きなスポーツイベントを開催するにあたり、大規模な、麻薬商人と犯罪集団の掃討作戦を行う。

無計画に迷路のような階段や通路に沿って建てられた木造の小屋、そしてギャングと麻薬ディーラーがひしめきあうスラム街は、ワールドカップとオリンピックを開催するブラジルにとって非常に厄介な存在となっている。

リオのファベーラは、レッドコマンドなどの、防衛と「正義のため」に自らの軍事力を使う危険な麻薬組織によって支配されている。またリオのファベーラで最も危険なヴィラ・クルゼイロのようないくつかの組織は、教会によって管理されながら、麻薬取引を行っている状態である。

しかし、2009年に警察のヘリがファベーラの1つモッロデマカコで、麻薬ギャングのメンバーによって撃ち落されたとき、政府は、UPPs(ファベーラの治安改善のための部隊)をスラムへ送り込み、これらの麻薬組織を撲滅させ、治安維持に取り組むための行動に入った。

これまでに、およそ30(/1000)のファベーラで、UPPによる占拠を行い、治安維持に当たっているが、政府は来年までに40のファベーラへ展開していくことを目指している。



これまでに最も激しい掃討作戦は2010年11月に行われ、ヴィラ・クルゼイロとアレマオのファベーラでの5日間に渡る大規模な戦いとなった。

この危険な作戦で、3,000人の重武装特殊警察と軍隊が動員されている。

ヴィラ・クルゼイロの掃討作戦の間、リオで最も巨大な麻薬組織レッドコマンドの本部では、麻薬ディーラーたちの多くは、近隣のファベーラへ避難した。

武装勢力は、近隣のファベーラへも戦車、特殊車両、ライフル、警察犬を率いて攻め込み、盗難車両を奪い返し、多量のコカインとマリファナを押収した。

この掃討作戦により、およそ37人が殺害され、200人が逮捕された。

これまで、激しいギャングの抗争に巻き込まれていた無実の住民の多くは、警察によるファベーラの占拠を歓迎している。

ファベーラでは、流れ弾による死亡と殺人による死亡が一般的な死因となっています。

これまで頻繁に起こっていた紛争がなくなり、銃撃戦に巻き込まれる不安がなくなると安心する住民もいた。

しかしながら、多くのスラムで警察による占拠が続いていることを非難する声もある。特にブラジル警察の評判は、暴力的で腐敗しているとの声が聞かれる。

いくつかの場合、ファベーラでの重武装戦力の存在により、自由を侵害されている。他にも、UPPは、多くの観光客が訪れることが予想される、オリンピックが開催される場所の周辺の地域のみに焦点を当てて活動しているとの批判もある。

また、UPPはギャングや麻薬組織の掃討だけではなく、不法なインターネット接続や、テレビへの接続などの小さな犯罪をも取り締まっているとも言われている。

伝えられるところでは、隊員は、ダンスパーティーを止めさせたり、夜間の外出禁止令を出し、バイクタクシーを止めて、賄賂を要求するようなことをしているようだ。

UPPs隊員は次のように話した。

殺人、銃撃戦、強盗を減らし、不動産価値を上げ、スラム地域への観光客が増加することは、警察がギャングの暴力と戦う、正しいことをしている例なのである。

人権団体アムネスティインターナショナルのディレクターは、警察による殺人はUPPsが掃討作戦を開始して以降減少してきている。
この5年の間、リオデジャネイロでの警察による殺人は50%以上減少している。

さらに我々は、UPPsの活躍によりこの成果を上げていると考えている。

UPPsはその他の多くの問題を作り出しているが、警察による殺人においては、これを減少させることに成功している。

だが、依然としてリオデジャネイロはブラジルの他の地域以上に、警察により殺される人の数が多い。


麻薬ギャングの撤去は、ファベーラの経済を変えている。麻薬ディーラーは重大な雇用主であり、豊かな顧客であった。そして彼らが残した格差を埋めなければならない。


また多くの犯罪者は地域のファベーラへ逃げ込み、隠れ住んでいる。
UPPの有効性を判断するためにはまだ時間がかかると言える。











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