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2013年11月29日金曜日

2013年度失敗国家ランキング、ジンバブエは少し改善するも8年連続ワースト10入り



アメリカの非政府組織「Fund For Peace」と外交専門誌「Foreign Policy」が毎年発表している失敗国家ランキングという格付けがあります。

以前2012年度までのハイチのランキングの推移を紹介しました。


今回はジンバブエの失敗国家ランキングの推移を紹介します。


2005年 15位
2006年 5位
2007年 4位
2008年 3位
2009年 2位
2010年 4位
2011年 6位
2012年 5位
2013年 10位



と推移しております。
政権交代は実現しませんでしたが、他の国がスコアを上げたことと、目立った失策がなかったことで少しスコアが改善したジンバブエは10位となりました。


2013年度ワースト10
1位 ソマリア
2位 コンゴ
3位 スーダン
4位 南スーダン
5位 チャド
6位 イエメン
7位 アフガニスタン
8位 ハイチ
9位 中央アフリカ
10位 ジンバブエ 


上位の顔ぶれは変わらず、ソマリアは6年連続ワースト1位となっております。





失敗国家

国家機能を喪失し、内戦や政治の腐敗などによって国民に適切な行政サービスを提供できない国家のことである。
失敗国家の定義については統一されたものは無いが、アメリカのシンクタンクの一つであ平和基金会以下の通り定義している。

• 領土支配の喪失、あるいは公権力の独占の喪失
• 正統な合議制意思決定機関の腐敗
• 公益事業の提供不能
• 国際社会の一員としての外交活動の不能


指標
●人口圧力の増大
●難民および国内避難民の大量移動
●集団としての不平不満が残っており、復讐への動機が残っていること
●慢性的及び継続的な現実逃避の状況
●経済発展の不均衡
●経済状況の悪化
●国家の犯罪化あるいは非合法化
●公共サービスの悪化
●大規模人権侵害の状況が存在していること
●国家の状態を反映する治安維持組織の状況
●利己的エリート層の増加
●他の国家または外部の主体の介入があるかどうか


上記12の指標をそれぞれ点数で評価し、合計したポイントの合計が高いほど、失敗国家ランキングが高くなる。


resource : The Fund For Peace (The Failed States Index)








2013年11月28日木曜日

電気が使えないことの絶対的不便さと相対的不便さ、エネルギー政策についての考察 in ジンバブエ




ジンバブエの首都ハラレ郊外に住んでいましたが、3日間電力が供給されず、このテーマについていろいろと考えを膨らませたので書いてみます。



電力が使えないと、何が困るかという当たり前のことを考えてみます。

家庭内では、
・テレビを見ることができない
・音楽を聴くことができない
・勉強することができない
・冷蔵庫が止まって中の食料が腐る
・洗濯機が回せない

街では、
・パソコンを使って仕事をすることができない
・スーパーなどの食品が腐る
・レジで機械を使っての会計ができない
・病院の設備が動かない
・工場が稼働しない
・固定式電話が使えない
・エレベーターが使えない
・暗い教室での授業



夜になれば外は真っ暗なので、転んで怪我をしたり、犯罪が発生するリスクも高くなります。


コンロを使っている間に停電になり、そのまま家を出てしまった後に電力が戻れば、火事になることもあります。



困ることばかりです。


安全衛生面と産業分野においては、電力供給の不安定さは間違いなくマイナスの側面が目に見えて現れます。これは先進国でも途上国でも同様です。

一方、ジンバブエの一般家庭では、実は最初からそれほど電力に依存していないので、想像するほど生活が極端に不便になるわけではありませんでした。

一般的な日本人の感覚からすると、ジンバブエでの生活そのものが不便であることは言うまでもありませんが、電力供給が不安定な生活に慣れた彼らにとって、電気が供給されたりされなかったりすることのギャップにおいて、生活に大きな支障が現れにくいのです。



僕が住ませていただいていた部屋では、電力を必要とするものはほとんどありませんでした。

温めるところが2つあるうちの1つが故障した電気コンロと、豆電球1つ。

コンセントの穴もあり、携帯電話やパソコンを充電するために使うことができます。


一日のうち数時間の停電はよくあります。

冷蔵庫もなく、食べ物が腐る心配をする必要はありません。



これが3時間4時間となってくると別です。


パソコンの充電が切れます。
お腹がすいてもコンロを使って料理を作ることができません。



しかしこれでも現地の人は、自分で火をおこし、ご飯を作って食べています。


電力に最初から依存していないのがよく分かります。


この電力供給の不安定さは経験したことのない人にとってはすごく厄介で、もう少し待ったら使えるかもしれないと、ずるずると待ってしまいそうですが、ジンバブエの人の気持ちの切り替えはとても早く、電気が届くのを待つことはしません。


すぐに火をおこし始めていました。




首都ハラレの中心部から少し離れたこの地域では、電力供給が3日止まることが頻繁に起こるわけでもなく、珍しいことでもない。

だからどうしても、もう数時間すれば使えるだろうと思ってしまいがちです。

まさにそう思ってしまったために3日間パソコンが使えるのを待ってしまっていたわけです。



夕方には外で宿題をがんばっている子供を見かけました。

外に座って勉強することに慣れた様子で、一生懸命勉強しておりました。

もちろん、机に座って姿勢を正し、電気のある部屋で勉強した方が学習の効率は良いものとは思いますが、

普段から電気のある部屋で机に座って勉強しているわけではないので、外で勉強する子供達から「不便さ」を感じることはありませんでした。


さらに現地で活動させていただいたChild Future Africaという孤児院のあるマウントダーウィンは、ハラレからさらに180キロほど離れており、電力はさらに不安定になります。


人々の生活はさらに電力に依存していません。



基本的には自分たちで火をおこして料理を作る。

電気が使えればラッキーというくらいの感覚です。



設備自体も脆弱で、滞在中にも電線が伸びた草に接触したことが原因で、火事が起こりました。

発見が早かったので、すぐに消し止めましたが、夜中だと被害はもっと広がっていたことだろうと思います。











日が暮れた後、キャンドルの明かりを灯せば、全くの暗闇ではありませんが、できることはほとんどありません。

何ができるでしょうか。


眠くなってくれるといくらか有り難いとさえ思いました。

目を開けても閉じても真っ暗。することはない。

最初の数時間は今後の行動について想像してみたり、思い出に浸ってみたりと、頭を働かせることで退屈をしのぐことができたかもしれません。

それが5時間、6時間になってくると退屈はストレスになります。


ストレスは犯罪発生率を高めます。
些細なことがきっかけで争いが起きることにもなります。





全く何もすることがない暗い部屋に1人で長時間いた場合、精神が疲弊します。

2人でいれば話をして退屈をしのぐことができます。それがいつも同じ相手で同じ話をしているとさすがに話すこともなくなってきます。


男女が一緒にいた場合、セックスをするでしょう。

同性同士が一緒にいたとしてもセックスをする可能性は上がります。

これはふざけて書いているわけでもなければ、途上国の人を侮辱しているつもりもありません。




日が沈んだ後の18時以降、何もできることがなく「退屈」に閉じ込められたとき、男性同士でもセックスをする可能性は十分にあります。

男性同士のセックスはHIV感染の確立が高いです。




世帯あたりの子供の数の多さや、HIV感染者数の多さの背景に、「退屈さ」というものは関係していると考えています。





「電力」というインフラが整備されることで産業は大きく発達します。


不安定さがなくなるだけでも単純に仕事をすることのできる時間は増え、工場を稼働させることができるだけでなく、停電により腐った野菜を廃棄するようなこともなくなります。


病院の設備が止まって、患者が死んでしまうことも無くすことができて、暗闇で犯罪が起きることも防ぐことができる。さらに産業も発達する。


電力のインフラを整備すれば、良いことばかりなのに、どうしていつまでも貧しい国ではインフラが整備されないのでしょうか。




この理由についてもいくらか考えを膨らませております。



発電施設の建設には巨額の投資が必要になります。


貧しい国では財源が豊富にありません。

ジンバブエでは今年の初めごろ国庫残高が2万円になったとニュースが流れるほど、お金がありません。


過去の失策や経済制裁によって、外国の資金に頼ることのできる「信頼」がジンバブエにはありません。




そして、「電気代」を国民や企業が払うことができるほど豊かでなければ、電力を作れば作るほど、電力会社は損をすることになります。


ハイチでは、国民が電気代を払うこともできず、盗電が後を絶たないため、ハイチ電力公社は巨大な損失を抱えており、電力供給は不安定なままです。


不安定ながらも電力供給がされているのは、完全に産業が停止してしまうことや、生命が脅かされることを最低限免れるための措置なのだと考えております。



発電施設の能力や、供給機能の脆弱さよりも、電気代を回収できるかどうかというのが、電力供給が不安定な最も大きな理由ではないでしょうか。


生活していたハラレ郊外での電力供給は不安定でしたが、ハラレ中心部はほとんど安定して供給されています。



電力供給計画を考える側からすれば、確実に電気代を払うことができるであろう産業のさかんな都市中心部を優先に発電量を考え、余分に作られた電力を中心部から離れた地域へ届けていくようにする方が合理的です。

電力の供給や遮断は、一軒ごとにはできないのでエリア別での優先順位に従って電力は供給されます。


当然、失業者の多いエリアでは電力供給の優先順位は低くなります。





仮に外国の資金によって、電力設備が整備されることが可能であったとしても、これは実現しません。


経済活動が活発になるにつれ、電力需要は増え、電力による収入は国の財源ともなり得る程大きなものになる可能性をもっています。


経済活動が活発になれば、出資した外国の企業などが儲かるような仕組みは作りたくないものです。



以上のことをまとめますと、ジンバブエが安定した電力供給を達成し、電力による収益を長期的に拡大させていくためには、


使用した電気代を支払うことのできる国民の数を増やしていくこと。

が必要だと言えます。



電力供給によって豊かになるのではなく、地域住民全体として、一定の水準の収入を得ることが、安定した電力供給のための大きなハードルなのです。



これには年月を必要とします。


その間には、電力設備の運転、維持管理のできる国内の技術者も同時に育てていくことが将来に必要となる資金を削減させ、長期での電力計画を助けるものになります。


設備投資と言っても、設備購入と技術購入は掛かる費用が圧倒的に違いますし、外国資本を追い出すことを得意技としてきたムガベ政権ですが、インフラに関わる技術者を育てることは、健康的な方法として、外資へ長期で依存しない姿を築いていくことが可能です。



火力発電や原子力発電を想定して書いてみましたが、これが太陽光発電などの新しいエネルギーとなればまた違います。


初期費用は掛かりますが、一つの家庭で消費される電力量も多くなく、管理も楽で運転コストもほとんど掛からない。


今、途上国での新エネルギー技術の導入と技術者の育成が確かに注目されております。


いずれにしても中長期的なエネルギー政策と、それにかかる財源の確保というのは、国家の運命に関わるもので、どの国も避けては通れない慎重かつ大胆な決断が求められるのだろうと考えてみたところです。



電気が使えないことについて想像するきっかけになっていただけると幸いです。



以上です。



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★ジンバブエ農村部の孤児院へ自転車20台を届けるプロジェクト








2013年11月14日木曜日

活動記録 [11/9~11/13]。ジンバブエの学校環境の実態。

現在、ジンバブエの山奥にあるAIDS孤児のための施設「Child Future Africa」に滞在しております。





ここはジンバブエ北部、モザンビークとの国境近くの山「マウントダーウィン」。



石と藁で作られた伝統的な家屋も目立つ。



広い農地があり、牛やヤギが道を歩いています。






Child Future Africaでは、小学生から高校生までの17人が生活しており、3人のおばちゃんが交代で世話をしています。




みんな元気で明るい。







施設内のガーデンでは、トウモロコシやトマトを栽培しており、子供達に実践的な農業のトレーニングを行っています。



施設外にも広い農場と、豚の飼育小屋があり、収穫されたイモや野菜で彼らの食事を提供しています。

さらに売ったお金で、学費や施設を維持する費用を捻出しています。



完全に自給自足の体制を作っていくことを目指している段階です。










ここでの僕の活動は、いつも通り、できることを一生懸命やること。






施設内は、水道が何か所も故障しており、排水管が詰まっているところもあります。


電気もショートしていたり、電球が切れていたり。


壊れたパソコンやテレビが放置してあります。






機械電気工学のお勉強をした知識と、管工事施工管理技士2級の実力で解決できる問題は解決してやろうと思い、天井裏に上って、配線を調べたり、パソコンを分解したり、排水管の詰りを突いてみたりしましたが、工具もなしに問題が手におえるものではなかったので、不具合のリストアップと優先順位付けをして、予算計画にでも反映してもらおうとしているところです。







施設で生活している17歳の男の子がいます。


あと2回学校で試験を受けて高校を卒業します。


今月中に施設を卒業して、ハラレに住んでお金を貯めるそうです。


カレッジへの入学を目指しています。





その彼が、パソコンで歌を編集してほしいと言うので、彼と一緒に音楽を作っています。


Child Future Africaのことを歌った曲が完成しました。



動画も一緒に撮影して、Child Future Africaの宣伝用に使ってもらおうと思います。











昨日は施設の外にある農場で芋掘りをしました。


これは本当にきつかった。




ブラジルのファベーラの坂を上り下りしていた日や、灼熱のハイチで一日中センサスをしていた日も肉体的なダメージは大きかったけど、



昨日の「芋掘り」は今までで一番苦しい修行でした。




おばちゃんや子供達は楽しそうに話しながらやってましたけど、



僕は完全にやられていました。




手に豆ができて潰れるくらいは何ともないけど、腰が言うことを聞いてくれない。




1日かけて掘ったイモを、サイズや質で分けて、袋に詰め、トラクターで牽引する荷台にイモと一緒に乗り込んで施設へ帰宅。







施設の皆と一緒にご飯を食べ、宿題や学校で分からなかったところを一緒に考えたり、外で一緒に遊んだりもしています。




小学生に、学校のテキストを使いながら動物の名前を教えるのは楽しい。


中学校までの理科と数学も問題ない。




高校生に地理や歴史の問題を聞かれたときは、嘘を教えたり適当にごまかすわけにもいかず、インターネットも助けてくれないので、困ります。


分かんないから明日インターネットが繋がったら調べるから、学校でも先生に聞いてみて、と。


すぐに答えてやれれば何も悩む必要はないんだろうけど、こちらも投げ出さずに一生懸命考えてやる姿勢ってのは大事なんだと、勝手に思っています。



次の日学校から帰ってきたらすぐに、問題が解決したかどうか聞きました。

解決したとのことで、安心しました。



同時に、インターネットが繋がらないと何にも知らないんだなって痛感します。






それでも「宿題はやったの?」「今日の学校はどうだった?」がいつの間にかコミュニケーションの手段になり、横に座ってるだけで一生懸命勉強してくれるのが可愛いです。







ここからは少し悲しい話になります。




施設の子供達の何人かはペンやノートを持っていません。


僕にペンをくれないかと相談に来た子が何人かいました。



頼んだら何かくれるかもしれないと、モノをねだってくる子供は貧しい地域にはたくさんいます。

ですが、この子供達のそれは、そうゆうものではなく、


「ペンがないと勉強ができない」

「他の人が持っているものを自分が持っていないのは恥ずかしい」


そういった種類の感情なんだと、表情や、申し訳なさそうな声で分かります。







ペンやノートは、Child Future Africaで買ってはいますが、次に支給されるのを待っている状態のようです。


世話係のおばちゃんの話では、最近は財務状態があまりよくないとのこと。









ノートやペンだけではなく、着ている服もボロボロです。


外で遊び回り、農業の仕事もするので、綺麗な格好をする必要もないと本人たちも思っているだろうし、周りの子供達も同じなので特に気にはしてないようです。



学校の制服や靴は毎日大切に手入れをして、綺麗に使っています。




Child Future Africaの施設にいる子供達は、支援によって高校まで行くことができますが、地域の他の子供達は違います。



制服が買えない、授業料が払えない、学校が遠すぎるなどの理由で、中学校へ行くことを諦める子供達がたくさんいます。





今日、近くの小学校へ行ってきました。



この小学校では、教室が3つあり、そのうち1つは窓と天井がなく、丸太を椅子の代わりに使っています。


他の2つの教室は屋根はありますが、十分な数の机と椅子がなく、椅子に座れない生徒が床に座っています。


半壊した椅子に無理やり座っている子もいます。



ペンやノートを持っていない子もいます。




窓や天井がない、丸太の椅子が並べられた教室を入れても3つ。


ここにはGrade1~Grade4のクラスがあるはず。


外を見ると、土の上で教科書を広げて勉強しているクラスが1つありました。






小学校はGrade1~Grade7です。



近くにあるカレッジの教室を借りてGrade5~7の授業が行われていますが、来年からは貸してもらえなくなり、教室が3つしかない小学校で7つの学年の授業が行われます。




中学校までは7キロ離れています。

子供達は毎日歩いて通っています。




中学校の近くに、別の小学校があり、こちらは設備が整っているようですが、7キロ歩くことは小学生には大きな障害です。



現状、来年までに、近くの小学校へ新しい教室を作るように、政府が動いてくれるのを待っている状態のようです。




自分に何ができるか、悩んでいるところです。




ペン、ノート、衣類、自転車の支援を呼びかけようと思っています。

どこか、学校建設へ乗り出してくれないか、当たってみたいとも考えています。




どなたか一緒に動いてくれる方はいませんでしょうか。

facebookかgmailに連絡ください。




インターネットがあまりにも不安定で、不自由なので、必要な情報を集めたら一度ハラレに戻りたいと思います。



明日は7キロ歩いて中学校へ行ってきます。







2013年11月8日金曜日

治安の良さが奇妙すぎる。最貧国と言われるジンバブエの首都ハラレと刑務所事情ほか。

ハラレ



ジンバブエの首都ハラレを歩いて回り、治安の良さを感じました。



ヨハネスブルグのように、人々の表情から、殺気を感じることもありません。



落書きをほとんど見かけません。





政治や経済の混乱とは裏腹な、ハラレの落ち着き具合は不気味でもあります。



国内の貧困率 72.3% (2011)
失業率 95% (2009)



貧しい国、失業率の高い国は、治安が悪くなる傾向があります。







しかしながら、これまで旅してきたハイチ、コロンビア、ブラジル、南アフリカと比べると、ジンバブエは一番治安がいいかもしれません。





不気味です。





非人道的な独裁者ムガベが、犯罪者を刑務所に片っ端から閉じ込めたから治安は良くなったのかと、考えがちですが、違いました。



国内にある46か所の刑務所には17,000人ほどが収容されております。



国民が1300万人いて、失業率95%が真実なら、収容者が17,000人というのは少ないです。



刑務所に収容される人が、犯罪者だけではないお国の事情から、収容者と呼ぶのが適切なのだと思います。









治安の良さの理由について考察しました。



・刑務所があまりにも恐ろしくて罪を犯すことをためらわせている。



・倫理観の高さを備えた国民性



・国外脱出する国民



この3つが考えられます。







「生き地獄」



「地獄への入り口」



これはジンバブエの刑務所を表すときによく使われる言葉で、





世界中の刑務所の中でも、ジンバブエの刑務所は、最も入りたくない刑務所の1つだと言われています。







狭く汚い牢獄内に、大勢の人間が閉じ込められています。



恐ろしいのは人口密度だけではありません。





ベッドはなく、床に横たわり、寄生虫の湧いた毛布で眠ります。満足に体を洗うこともできません。



衛生環境は最悪です。



エイズの末期患者、結核、ヘルペスやその他の感染症患者も同じく狭い牢獄へ入ります。男性同士のセックスは、HIVの感染確率が高いです。



精神病を患っている人もいます。







国民が食料を買えない国です。



囚人が満足な食事を与えられることはありません。



多くの囚人が、刑務所内で餓死しています。



そして、遺体も数日間放置されたままです。







入所後数日で死亡した例や、



重症を負ったまま、入獄させられた話が実際にあります。



「腸が飛びだしたまま拘置所に放置」

japan.techinsight.jp/2010/11/southafrica201011242145.html







南アフリカのテレビ局が放送したHell Hole(地獄の入り口)。



ジンバブエの刑務所の様子が映されていますが、ガリガリに痩せた囚人が、弱りきっているようです。





国際的な人権団体などからも、ジンバブエの刑務所での人権侵害は非難されています。



逮捕されている人は、殺人犯などの凶悪犯罪者だけではありません。



ムガベと敵対する野党側の人間なども犯罪者として逮捕されているのです。









これだけ恐ろしい場所だと伝われば、誰しも逮捕されたくないと思うものです。





これが理由その1、

刑務所が恐ろしすぎるから。





刑の厳しさは犯罪の抑止力になることは確かです。



しかし秩序が保たれることには繋がりません。









農作物が豊富にあり、豊かだった時代がある。



アフリカ最高の識字率だった時代がある。



本来の国民性から来ている部分はあろうかと察します。











ジンバブエの刑務所に関連して、興味深いニュースがありました。



ジンバブエには死刑制度があり、死刑囚が76人いるが、2005年に以前の死刑執行人が退職してから、政府は求人広告を出しているが、7年間死刑執行人に応募してくる人はいなかったとのこと。



それ以前も、死刑執行を停止しているわけではありませんが、現在まで12年間、死刑は執行されていません。



そして2012年半ばにようやく新しい死刑執行人が決まりました。マラウィ出身者のようです。



今のところ死刑が執行されたとの情報は出ていないようです。



今年の国民投票で可決された新憲法草案の中に、女性、21歳以下、70歳以上は死刑免除という項目が入っていたので、女性死刑囚2人は、死刑は免除になったものと考えられます。









高い失業率で貧困の中にいながらも、死刑執行人に応募しなかったジンバブエ人に高い倫理観が備わっていることを感じます。







これが理由その2、高い倫理観を備えた国民性。















そして理由その3、国外脱出するジンバブエ国民。







ジンバブエ経済は崩壊し、仕事はない。



それでも家族を養わなければいけない。



犯罪はリスクが高すぎる。





ジンバブエ人は近隣諸国へと移っていきます。





南部アフリカのその他の国とは鉄道でつながっています。







ムガベを嫌い、恐れ、逃げる者。



家族へ仕送りをするために、国外で仕事を探す者。





国外へ移るジンバブエ人の持つ理由はこの2つのどちらかであることが多い。





実際に多くのジンバブエ人が、南アフリカ、タンザニア、モザンビーク、ザンビアなどへ逃げ出しています。





そして、これが周辺諸国の社会問題にもなっているのです。



例えば南アフリカでは、ジンバブエ人に仕事を奪われ、仕事を失った南アフリカ人とジンバブエ人は対立し、治安を悪化させています。





このように、ジンバブエの政治的経済的混乱は、近隣諸国に症状として表れている場合があるようです。





首都ハラレを見ただけの感想です。



国内にも症状は出ているものと考えています。














「シェア」と「いいね!」で活動を応援してください。
よろしくお願いします。


2013年11月7日木曜日

貧困問題とクラウドファンディング。これまでの活動の振り返り。

今年7月、コロンビアで活動させていただいたメデジンのスラム街にあるコミュニティセンターAngeles de Medellinを支援するための資金調達プロジェクト「コロンビアのスラム街と世界を繋ぎ、教育と情報発信の改革で貧困を救う」が、サイバーエージェントのクラウドファンディングMAKUAKEにて掲載開始後20日で、目標金額の100%へ到達し、サクセスしました。



まず、応援してくださった皆様、支援してくださった皆様、ありがとうございました。




間違いなくプロジェクトを実行し、皆様の想いをAngeles de Medellinへ届けます。





Makuakeの画面上は、サポーターは29人となっておりますが、カードでの支払いが難しい人のために、友達が代理支援の窓口になってくれたので、実際に支援して下さった方はこれまで43人いらっしゃいます。


https://www.makuake.com/project/columbia/



大変ありがたく思っております。




この旅を通して僕がやろうとしていたことがまた1つ形になりそうです。


ハイチのクレムソンを支援するプロジェクトでは目標金額に届かず、失敗しましたが、ハイチの避難民キャンプで活動する非営利団体Join The Journeyへの動画作成や支援の呼びかけで、少額ではありますが、寄付をすることに成功しています。


また、350世帯が生活している避難民テントキャンプCapvvaでの住民調査によってまとめたデータは、テントキャンプ移転プロジェクトの計画に欠かせない資料になりました。


リオデジャネイロでは、ファベーラの空き地に、廃材などを用いて、子供達のための遊具を作りました。


南アフリカのタウンシップでは、ワークショップの開催と、ファンドレイジングプログラムの開発を行っています。





活動をずっと見てくれている人は既に、僕が「世界の貧困を伝える」ことだけをしているわけではないことに気付いてくれているかもしれません。




現地の貧しさを見せびらかすだけなんてのは、下衆野郎のやることです。


そこまで成り下がってはいないと自分で納得しています。





「どれだけの価値を現地に残すことができるか」




僕がやろうとしているのは、現地で自分のできることに全力で取り組むこと。


そして、貧困問題と戦うNPOのマーケティング支援です。





貧困問題と戦うNPOへ資金を集めることで、彼らの活動をサポートする、あるいは前進させることは、結果として貧困の削減を前進させるものになると信じています。




マーケティングとは、情報を発信することや、動画などのコンテンツを配信することがゴールではありません。

ましてやfacebookでいいね!を集めてニヤニヤしても、何も変化は起きないのです。


考え方に影響を与え、行動に変化を起こさせることが必要なのです。



貧困を伝えるだけでは、行動に変化は起きない。



そう考えたとき、行動に繋げるための何かが必要でした。



クラウドファンディングは突破口になりました。



伝えることに留まらず、支援という形で、行動を促すことにおいて、クラウドファンディングは魅力的なサービスです。



コロンビアでは、最初からクラウドファンディングで何を残すことができるかを考えながら、活動していました。

ずっと活動を見てくれている人は分かってくれていると思います。




目標金額に到達したこと、本当に嬉しく思っています。

皆様の支援のおかげです。ありがとうございます。





また、この夏スタートしたばかりのサイバーエージェントのクラウドファンディングMakuakeで、世界の貧困に対しての教育プロジェクトの成功例第1号になれたこともまた、嬉しく思っているところです。



これからますます成長が期待できるMakuakeで、今後も貧困問題に関するプロジェクトが多く成功していくことを心から願います。




日本のクラウドファンディングは欧米と比べると、まだ文化としては発展途上です。


クラウドファンディング市場の成長は、貧困問題だけでなく、さまざまな社会問題と向き合うNPOなどにとって、新しい資金調達のツールとしての可能性を持ちます。



欧米のクラウドファンディングでは、実行者とは全く関係のない地域や人からの支援が集まっています。




この度のコロンビアのプロジェクトでは、ここまでの支援者43人中40人は、僕の知り合いです。




中学校の友達、高専の友達、前の会社の同僚や上司、トロントで出会った友達がそのほとんどです。



目標金額に到達したことは本当に嬉しく、支援してくれた友達には本当に感謝しています。




しかし、結果には満足できません。

僕がMakuakeでのプロジェクトの審査に何としても通りたかった理由が2つあります。




まず新しいサービスであり、1つ1つのプロジェクトを大切に扱ってくれると信じたこと。

新規事業では最初の勢いというのは大事で、魅力的でインパクトのあるプロジェクトを発掘し、確実に達成させたいと思うプラットフォーム側の力の入れ方に期待しておりました。



そして、新しいサービスであるが故に、プラットフォームのカラーが定着していないことです。

日本には10数社のクラウドファンディングの会社がありますが、それぞれ独自のカラーを持ちながら、棲み分けが行われています。

新しい技術やサービスに特化したもの、地域貢献に特化したもの、映画などの制作物に特化したものなど様々ですが、貧困問題を積極的に採用しているのはReadyForだけなのです。

ReadyForに独占された状態でもあります。

独占は成長を減速させるものです。

確かにその兆候を感じました。


市場規模が数字上では成長しているようですが、成長が止まった時には軌道修正は難しいです。


他のプラットフォーム運営者が、貧困問題を敬遠する理由も分からなくもないですが、貧困問題とクラウドファンディングの可能性を信じている者として、Makuakeがこの市場を取りに行って欲しいのです。



自分のためではなく、同じように貧困問題と向き合う他の人のために、この市場を成長させてほしい。

Facebookにどれだけいいね!が押されていても、支援は集まらないことは明らかになる。




宣伝媒体に成り下がり、カラクリを見破られた時に、この市場はユーザーに見放される。




クラウドファンディングの運営者側が、組織や影響力のある個人にぶら下がったビジネスモデルを脱していかないと、この市場は欧米ほど成長しない。




パソコンの電源を切って考えていただきたい。









Makuakeのデザインはかなりナイスです。


リターンの魅力も、自分が考えた以上のものに仕上げてくれました。


担当者の人もすごく感じのいい人です。



僕みたいな訳のわからない奇妙な個人が相手でも、資金調達させてあげてるんだというような横柄な感じは全くありませんでした。


プラットフォーム運営者に対して、ビジネスに忠実で支配欲の強いヲタクという偏見を持っていましたが、違いました。



しかし支援のほとんどが自分の友人関係からだったことは、残念なデータでもあります。


(まだ残り日数があるので、様子を見たいと思いますが、)



支援の理由はリターンやプロジェクトの魅力ではなく、僕を応援したいというもの。



そして、このデータは、僕が今後クラウドファンディングに挑戦することを難しくします。

勢いに乗って第2弾!といけないのが、冷静になってみれば分かるのです。


組織化、足を使った営業、金を使ってのマーケティングやセールスの外注、

自分の活動形態からどれも難しいのが現状です。





市場とターゲットを変えるという方法がありますが、僕がメッセージを届けたい相手は日本人です。


これは最初から一貫しています。



世界の貧困問題と向き合いながらも、日本の社会問題に視線を送っているつもりです。



自分の活動の本懐はそこにあり、出発点でもあります。






僕は弱者に対して、努力が足りないと切り捨てるような考え方は持っていません。



日本の貧しい人にも同じ感情を持ちます。



日本のホームレスの人達のことを、努力が足りないと思っている人はたくさんいます。


そういった意見はたくさんあります。



そう思っている人は、自分が強者である理由を、自分の努力のおかげだと思っています。


あの時、あの人に会っていなかったら、

あの時、あの本に出会わなかったら、




1人の力で生きてこられた人なんていないはずなのに、


今の自分を、過去の自分の努力によるものだと思っている人は、圧倒的に自分を支えた人、今の自分を作った人との出会いに対する感謝が欠けている人です。



自分がどうしてがんばれたのかを考えた時に、いつもそこには自分以外の誰かとの出会いや感謝すべき人がいたはずです。





その出会いは運命なのです。




一般的に敗者と見なされるホームレスの人達は、出会いに恵まれなかった、運に恵まれなかっただけです。


出会いに感謝すればするほど、弱者に寛容になれるはずです。





自分が運に恵まれた強者であるなら、何か行動を起こしてもらいたい。





世界の貧困に苦しむ人のためじゃなくてもいい、


月に1回でも、ホームレスの人達への炊き出しを手伝いに行ってみてはどうでしょうか。


孤児院へ行って、宿題を手伝ってあげてみてはどうでしょうか。








強者が弱者へ手を差し伸べること。



これは物理的に貧困の削減を前進させるだけでなく、


人のために生きることで、心の貧しさや社会の閉塞感から、自分自身を救ってくれます。


食べるために働かなくても生きていける時代です。

自分の生きる理由付けに成功する人ばかりではありません。

欲しいモノは何でも手に入る世の中で、生きる意味を見いだせない人は出てきます。

生きる意味が見いだせない人には、人の為に何かをすることを強くお勧めしたい。







先進国である日本が抱える問題に、高い自殺率があります。



弱者に対して寛容になれないこと。


生きる理由が見いだしにくいこと。



これは心の貧しさから来ます。


社会に閉塞感を生み出します。






そして、高い自殺率に繋がるのです。









先進国の心の貧しさ

貧困問題





支援はお互いの痛みを中和するものになり得ます。




物理的な問題としても、支援は社会の歪みを緩和させる働きをします。


格差の埋め合わせは、高所得者から多くの税金を徴収し、低所得者への医療や教育などのサービスへ充てるこで、ボトムアップを狙うなどの、ガバメント主導の政策を期待したいところですが、現実化されるまでに時間がかかり、実際は我々の手の届きにくいところにあります。


支援というのは、もっと身近に、格差を埋め合わせるための手段になります。



持続性をもって、実際に格差の埋め合わせの効果を発揮するためには、支援文化の成長が求められます。



支援文化は、我々1人1人が弱者に対して、どのように行動するか、


まさにその行動の積み重ねによって形成されていくものです。






さらに言うと、支援文化の成長は、利益至上主義の暴走に歯止めを効かせる手段にもなります。


非営利団体などの活動は、株主のものとして活動を制御されず、市場のパイを奪う側面があることから、歓迎されないことも多いです。


否定的な見方やこの流れをつぶそうという動きもあります。



冷静にならなくてはいけない。




支援文化が完全に衰退した場合、格差はさらに拡大し、社会は閉塞感を強めます。





震災を経て、日本の支援文化は成長したが、成熟はしていない。






近隣の大国とは違い、経済的な豊かさと、心の豊かさをバランス良く持った日本人が増えれば、日本はもっと痛みのない、素晴らしい国になると信じています。






プロジェクトが達成したから調子に乗って書いたわけではなく、達成した今のタイミングこそ、一番メッセージを聞いてくれる人が多いと信じ、一番強く思っていたことを書きました。




コロンビアのプロジェクトは終了まで1ヵ月以上あります。


残ったお金は全てAngeles de Medellinに寄付して、地域の支援のために使ってもらいますので、引き続き支援をお願いしたく思います。





https://www.makuake.com/project/columbia/









2013年11月5日火曜日

仕組まれたジンバブエのハイパーインフレ。独裁者ムガベの影で動く欧米、中国、北朝鮮、イランの思惑

ジンバブエは2013年1月29日、国庫金の残高がついに217ドル(20,000円)になりました。



ムガベ大統領の独裁政治による失策が重なり、この事態を招いたとされていますが、本当にそうでしょうか。




ジンバブエと言えば、独立以来33年間、ムガベ大統領が権力の座についており、ハイパーインフレがあまりにも有名になっています。



ジンバブエのハイパーインフレについて、一般的に言われている原因をまとめてみました。



1999年 コンゴの内紛への派兵に専念したことによって、経済、医療、教育が悪化した。

2000年 白人農場の強制収容(白人の所有する土地を黒人に譲渡しなければならない法律)によって、白人が海外へ逃げ出した。白人が持っていた効率的な農業技術が失われたために、これまで国の経済の柱だった農業(かつてアフリカの穀物庫とも呼ばれていた)が崩壊し、食糧危機と外貨不足に陥る。部品を輸入に頼っていた工業部門にも外貨不足は影響し、経済は極度に悪化する。食糧不足とアメリカと欧米各国による経済制裁によりハイパーインフレが発生。

2007年 国内の外資系企業に対し、保有株式の過半数以上をジンバブエの黒人への譲渡を義務付ける法案を通過させ、企業もジンバブエから撤退する。
さらに物資不足となり、物価はさらに高騰。

2007年 価格統制令(製品やサービスを強制的に安く売らせる、売らずに保管しても逮捕)を出したことで、企業は次々に倒産。

2008年 デノミ(通貨単位の切り下げ)を実施し、100億ジンバブエドルが1ジンバブエドルになる。




ジンバブエのインフレ率

2001年 132
2002年 139
2003年 385
2004年 624
2005年 586
2006年 1281
2007年 66212
2008年 355000


2009129日、ジンバブエドルは発行されなくなった代わりに、USドルと南アフリカランドが法定通貨として使用されるようになった。






ジンバブエ、調べるのが本当に難しい。

BCCCNNなどの欧米メディアの取材は禁止されている。
ジンバブエ側から出てくる情報の量は乏しく、質が疑わしい。


中立的な情報が圧倒的に少ない。




いろんな疑問が湧いてきました。




ムガベは独裁者なのか。


失策は意図されたものではないのか。


ハイパーインフレは止められなかったのか。


これだけ失業率と貧困率が高いのに、治安が安定しているのはなぜか。


失策を重ね、経済も政治も混乱させ、国民を貧困に導いたムガベが、89歳で任期5年の大統領選挙に圧勝できるのか。







ムガベについて

ムガベ大統領は、カトリック教徒として育てられ、マリスト会やイエズス会の学校で教育を受け、17歳で教師の資格を取ります。南アフリカのフォート・ヘア大学で英語と歴史学を学び、南アフリカ大学も卒業。ロンドンスクール・オブ・エコノミクスで経済学を学びました。
1964
年に逮捕され、10年間を獄中で過ごしながら法律を勉強した。

独立後、初代首相になってからは、白人社会との融和政策を進め、「アフリカでの黒人による国家建設のモデル」と称賛されます。
白人の協力も得つつ、順調な政治運営を行いました。
教育や医療に資金を充てたことで、低い乳児死亡率とアフリカ最高の識字率を達成し、ジンバブエの奇跡として国際社会から絶賛されています。





そのムガベ大統領が、独裁化し、おかしな政策を推し進め、国際社会から見放されることになります。


金などの資源は豊富で、かつては農業、工業、鉱業のバランスのとれた国だったジンバブエが、経済破綻し、失業率95%の悲惨な国へと変わっていきました。





白人農場の強制収容をすれば、白人は逃げ出し、経済は悪化する。


教育や医療に資金を充てれば、低い乳幼児死亡率と高い識字率を達成することができることを知っている人間のやることとは思えません。



そしてもう一つ、白人が逃げ出したことで農業技術が失われて食糧不足へ陥り、物価が高騰したことについて。



工業分野に比べ、農業分野は多くの複雑な知識を必要とすることはありません。特別な技術を用いていたとしても、雇用主を無くした農場を、これまで農業に従事してきた黒人が代わりに運営することができなかったのでしょうか。





政策とは、その効果や影響を予測し、必要だと判断されたときに施されます。



経済への悪影響が予測できなかったのでしょうか。


白人が逃げ出すことを予測して、農場運営の対策を考えなかったのでしょうか。



考えなかったとしても、結果は出ます。


その結果から、原因を理解することのできるだけの学歴と経歴を持っているムガベだと思いますが、2007年に、外資系企業に対し、ジンバブエの黒人に株式の過半数以上を譲渡するように命じます。




同じことをまたやったのです。


その後の価格統制令についてもそうです。


まるでハイパーインフレと経済の破綻を狙っているかのようでもあります。


しかし、豊富な資源というもう1つの外貨収入軸がジンバブエにはあったので、インフレに歯止めを効かせる方法はあったはずです。



ここにアメリカ、ヨーロッパからの経済制裁が加わります。

ハイパーインフレを歯止めの効かないものにしたのは、欧米各国からの経済制裁です。


ムガベ退陣を狙った経済制裁であれば、狙いは大きく外れたことになります。

「私欲のためのコンゴ派兵を止めさせること」という表向きのメッセージはあったようです。


派兵後、コンゴ大統領は暗殺されております。
コンゴにはムガベの妻の名義で保有している鉱山があります。

コンゴ派兵に資金を注ぎ、ジンバブエ国内の経済が悪化して国民が疲弊しているとなれば、国際的に非難される理由にはなりますが、経済制裁を加える理由があったのでしょうか。


安全保障理事会に経済制裁案が提出された際には、中国とロシアは「内政問題」ということで反対し、却下されました。




与党の弾圧、法案の強行、言論の制圧、国民へ向けた暴力。

ムガベは独裁者の定義に当てはまります。

80年代には反ムガベ派武装勢力を鎮圧する際、市民ら推定2万人を虐殺する事件がありました。

ムガベによる弾圧のすさまじさが、人々に恐怖を植え付けているようです。

暴力によって民意を支配しているのです。


この人権侵害も、経済制裁の理由となっているようです。


前回の選挙ではムガベの退陣が争点となっており、ツアンギライが勝利する見通しが強かったものの、弾圧により、ツアンギライは出馬を辞退することになりました。

この選挙で、200人以上が殺害されています。




ツアンギライ首相は、ムガベの政敵として知られています。

今年、トラックに衝突され、奥さんを無くしました。
入院しているツアンギライをムガベは見舞いに行っています。


これまで、4度、暗殺未遂を経験しているそうですが、当然犯人は確実に殺しに来ているわけで、4度も死なずに乗り越えていることも怪しさがあります。




2013731日の選挙で、各国から不正が行われないよう監視される中、ムガベは61%の得票率で圧勝しました。

ツアンギライは大きな不正があったと主張しており、欧米もこの結果に、公平な選挙が行われていない可能性を指摘しています。

アフリカ連合や、南部アフリカ共同体はこの結果を指示しているようです。



ムガベを指示する人も確かにいるようです。
白人を嫌う人達、農地を割り当ててもらい利益を上げた人達がそうです。

殺されるのが怖いからムガベに投票した人もいると思われます。


89歳で5年の任期、過去の失策、暴力による支配、独裁を深刻な問題と考えると、ムガベには投票しないのが普通だと思います。


ハラレに住むジンバブエ人の何人かに聞きましたが、ツアンギライに投票したという人はいましたが、ムガベに投票した人には会っていません。



前回の選挙のように死者が出ていないことから、平和的な選挙だったことは間違いないようですが、公正な選挙であったかどうかは、突き止める方法がありません。



ムガベ=独裁者という強烈な印象がジンバブエを取り巻く情勢を見え辛くしています。



ムガベが独裁者であることは間違いないです。


しかしジンバブエはそれ以外の問題も抱えます。




ハイパーインフレの最も大きな要因は、欧米からの経済制裁です。


そして現在は、ジンバブエは紙幣を管理する機能を失い、USドルが流通しています。

これは、アメリカ経済に完全に依存させられる状態になったことを意味します。




ジンバブエには、金、プラチナ、クロムの他に、ウランの鉱山もあります。


イランとウランの取引についての密約を交わしたとの報道もあります。

中国との仲は良く、北朝鮮も歩み寄っています。

今も制裁を続け入国制限や、資産凍結を行っている国もあります。




標的になる理由を持った国です。




欧米、オーストラリア、中国、北朝鮮、イラク、アフリカ諸国、国内政党、、、



複雑に入り混じった思惑が、「独裁者ムガベ」の陰に隠れます。




ムガベの行動が本人の意思によるものか、何かしらの圧力を受けているものなのかは、我々には分かりませんが、不自然さは確かにあります。



現地で最も不自然に感じるのは、治安の良さです。


失業率が高く、人々が貧困に陥った国では、国民の怒りの矛先は、政府へと向かいます。


デモや暴動が起きたり、モノを奪い合ったり、治安が悪化するのが自然ですが、ムガベが再選した後も、特に大きなデモなどは起きておらず、治安は良いです。


それどころか、ハイチや南アフリカに比べると、物乞いが圧倒的に少ない。


確かに物乞いはいますが、ハラレの中心部ではほとんど見かけませんでした。


失業者で溢れ返っている印象もありません。



伝え聞くジンバブエの情報と、体感的な治安のギャップに不気味さすら感じます。




真実は手の届くところにありません。
中立的な情報があまりにも少なく、答えを得ることができません。



ハイパーインフレは仕組まれた、とまで強く主張はしませんが、一般に言われているような、「独裁者ムガベがバカだった」からインフレが起きたことは否定したいと思います。