2014年1月12日日曜日

なぜエチオピアは貧しいのか、自分なりの結論を出してみた。










アフリカ諸国が貧しい理由として、よく言われていることが2つあります。

・過去の欧州による植民地化や奴隷制度と、それによって生まれたあらゆる格差を現在まで引きずっていること

・収奪的な独裁政治と社会構造によって、富や社会保障が国民に分配されないこと


です。




エチオピアに関しては、これらの理由が必ずしも当てはまりません。



1936年~1941年の間はイタリアの侵攻を受けますが、イギリス軍の支援を受け、エチオピアは植民地化されることはありませんでした。(修正)


そもそも広大な土地に、複数の民族が住み、異なる言語を話し、中央集権体制の整っていないエチオピアを完全に植民地化することは容易なことではありません。


植民地時代を経験している他のアフリカの国とは、貧困の背景や歴史が全く異なるということになります。





次にエチオピアの政治について考えてみます。



収奪的な独裁政治や、富の分配されない社会構造かと言えば、半分はイエス、半分はノーです。



エチオピアの政党を見てみると、「エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)」、「アムハラ民族民主運動(ANDM)」、「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」、「オガデン民族解放戦線(ONLF)」、「統一オロモ解放戦線(UOLF)」など、他国ではテロ組織扱いされそうな名前の政党が並んでおります。



「みんなの党」のようなかわいらしい名前はどこにも見当たりません。




彼らは政党であり、それぞれの民族を代表する軍でもあるのです。
政治思想や、政策によって集結したグループではないのです。



それだけでも、政治運営が容易ではないことが分かります。



政治の主導権を握ったとしても、他民族国家であるが故、中央集権化することもなく、国内に絶大な支配力を及ぼすことができないのです。


つまり、独裁化することはありえないのです。



ただし、民族単位での収奪的な政治運営が行われやすい傾向はあります。


与党となった政党(民族)は自分たちに有利な国政運営を行いたいものです。

同時に、民族的な対立を引き起こしやすいとも言えます。食糧難による疲弊さえなければ、いつでも武力衝突が起きただろうと考えています。



統治機能は明らかに脆弱であり、非民主的なのです。






この脆弱さに付け入ることで、先進国は、植民地化することなく、エチオピアに支援依存体質と、経済格差、貧困を作り出したのだと考えています。



既に人口爆発と、土地の荒廃によって、エチオピアは慢性的な食糧難に陥っております。
旱魃が起きていない年ですら、支援なしには食料の供給が行き届かないのです。


人口爆発によって、人の居住地が増え、農業用地が縮小されていく上に、土地の利用方法が継続的で計画的なものではないため、家畜に食い荒らされ、旱魃による被害を受けることで、土地は荒廃していきます。




では人口爆発は何によってもたらされたのでしょうか。




エチオピアの人口推移(CIA World Factbook


これは、貧しいために、教育を受けていないものが多く、避妊法を知らず、無計画に子供をたくさん作ることや、子供の死亡率が高いために、多くの子供を産んで、多くの労働力を確保するため、という説があちこちで言われていますが、違います。



この説が正しいのであれば、教育も医療も今よりも発展していなかった大昔から、人口爆発は起こっていることになります。


特に人口爆発と呼ばれるほどの急激な人口増加は、近年に起こっています。
貧しいことが原因で人口爆発が起きるわけではないのです。



人口増加は、豊かになる過程で起きるものです。
これは繁栄の原則です。



逆に、土地が枯れ、病気が蔓延し、食料が不足すれば、当然、人口は減少し、衰退していくのです。




豊かになる過程で起きる人口増加、それも人口爆発と呼ばれるほどの急激な人口増加がエチオピアで起きた原因は、先進国にもあります。



外国との取引が増えたことにより、物流が活発になり、これまでよりもモノは豊かになったのです。

しかし、自給自足の経済は崩壊し、資本主義経済が成長していくことになります。



外貨獲得のために、食べることのできないコーヒーをたくさん作ることになり、それでも売ればお金になるので、豊かになり、増産のために労働力も増えていきます。


繁栄と人口増加の土台が出来上がっていくことになったのです。



先ほども述べたとおり、無計画な土地利用と人口増加により、土地は荒廃していきます。



そこへ旱魃の被害が加わると、被害はすぐに深刻なものになるのです。



旱魃による飢饉で多くの死者を出していますが、それでも人口爆発を起こしているのは、飢え死にをしたであろう人々を食糧支援で救済し、医療支援によりさらに死亡率を下げたことが原因ではないでしょうか。


災害に見舞われても人口が増え続けているのは異常です。



不幸にも、人道的支援が、さらなる貧困を招いているということなのです。



ザンビア出身でアメリカの経済学者ダンビサ・モヨの「DEAD AID」を読んだことがありますが、今ようやく、彼女の言っていることが理解できました。
日本語では「支援が発展を妨げている」とか、そんな感じだったと記憶しております。



さらに彼女の本では、エチオピアについて
「エチオピアの国家予算の97%は海外からの支援によるものである。エチオピア政府は、革新へ取り組む意欲に欠け、支援依存体質から抜け出す努力をしていない。」
と書いてあります。



確かに、現在の支援依存体質はエチオピア政府の脆弱さからも来ています。
先進国だけの責任にできないのは、発展のプロセスの中でも人口爆発を抑えてきた中国のような例があるからです。



そしてエチオピア人の考え方にも原因があるようです。



せかせかと働いて、経済的に裕福になることを求めていないのです。
逆に、豊かな人は「悪」だと考える傾向にもあるようです。
一方、街中の物乞いの人たちへ、お金を渡しているエチオピア人もよく目にします。



何人かのエチオピア人から話を聞きましたが、これらはエチオピアの宗教から来ている考え方だそうです。



資本主義経済で持続的な好循環を生み出すために、圧倒的に必要なものは、豊かな暮らしを手に入れたいという「欲望」、そして困窮することへの「不安」です。



多くの人が同様に貧しい状態にあれば不安も少なく、さらには金銭的欲求が乏しいとなれば、グローバル資本主義経済の中では、食い物にされるだけで、自力で活路を見出していくことはできません。



これが支援依存体質を作り出しているのです。




エチオピア人そのものの考え方と、政府の脆弱さが、戦略的支援外交とグローバル資本主義の餌食となり、自給自足の衰退と人口爆発を招いた上に、土地の荒廃と食糧難の悪循環を繰り返しながら支援依存体質からの脱却を困難なものにしている。

と、最後に結論付けておきます。


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