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2014年5月23日金曜日

今も窮状に喘ぐシリア難民を忘れていく先進国の私たち(2)

5月17日に開催されたシンポジウム「シリア危機 失われた世代にしないために ~子供たちの現状」へ行って参りました。


第一部ではUNHCR日本代表のマイケル・リンデンバウワーさん、逢沢一郎衆議院議員のお話、岸田外務大臣からのメッセージなどが紹介されました。










第2部では、実際に現地(中東)で、シリア難民問題に取り組んでいる日本人の方々のお話を聞くことができました。

上村司、外務省中東アフリカ局長の「シリア人道危機に対する日本の対応」についてのお話がありました。

上村さんは、シリアに留学をされていたこともあり、中東情勢について大変詳しいです。

僕はそのことを知っていました。
中東のことを調べていて、この人の名前を知らないはずがないのです。

自分が中東にいたころ、必死で情報収集をしていたときに参考にさせていただいていた記事などに関わっておられた方のお話を聞けたことが、まず嬉しかったです。

シリアに特別な思い入れがあり、何とかしたいという強い気持ちを感じることもできました。
正確におっしゃられた文言ではありませんが、
「今シリアで起きている危機は、世界の国家が長年繰り返してきた実験による歪みが噴出しているようなもの」
ということに近いことをおっしゃられまして、強く納得したわけであります。

また、日本はシリア周辺国へのクロスボーダー支援の重要性を理解しており、ヨルダンへ1.2億ドルの支援をしていること。
政情など、複雑な背景から、支援を届けることも難しいけれど、最近では北部(トルコ側)の支援ルートを作ってきていること。
など、日本政府の取組や成果についても強調されておりました。

次に赤阪陽子、UNHCR駐シリア・ダマスカス事務所 シニアフィールド調整官により、「シリアの未来:危機に瀕する子どもたち」というテーマでのお話がありました。

シリアを取り巻く環境や、現地の子どもたちが実際に直面している問題について紹介されておりました。


しかしながら、問題をあまりにも並べすぎて、どの問題が最も深刻で、どれほどの規模で発生しているのかが見えてきませんでした。

残念ながら赤阪フィールド調整官の話のリソースは、海外のメディアなどからでも容易に知り得ることのできる内容でした。


自分は現地へ行ったことで、問題の重み付けができるようになったことを最大の収穫の1つではないかと思っていますが、

赤阪フィールド調整官の話を聞いた限りでは、この人は本当に現場で働いているのだろうか?と感じたことを素直に認めておきます。

続いて、現場からの報告ということで、


太田千晶、JENプログラムオフィサー
工位夏子、日本国際民間協力会(NICOO)ヨルダン事務所長
田邑恵子、セーブザチルドレンジャパン現地事業総括
元JICAの人らが、現地での活動について報告されました。



どの団体も大変魅力的な活動をしておられることが伝わってきました。

衣食住の支援は必要だけれど、後回しにされがちな教育や心のケアが今必要なんだと訴えておられました。

現地で活動し、守りたい人たちのことを知っているからこそ、心の叫びのような熱い想いが届いてまいりました。

しかしどういうわけか、支援先や活動先がヨルダンに偏っているような印象も受けました。

みんなが口を揃えてザータリキャンプ。
どういうわけか、と白々しいことを言ってしまいましたが、

中東の支援活動は本当に難しいことを知っています。

一見、政府もNGOも、これだけのことをやっている、と安心してしまいそうですが、やはり支援が届かない人のほうが圧倒的に多いということに、想像力を働かせなくてはならないと思います。

支援が届かず、最も危機的な状況にいるのは、シリア国内の難民です。

状況の厳しさに敢えて順番を付けると、レバノンとシリアの国境付近の街アーサルへ逃げてきた難民は、国内難民に次ぐ厳しさです。

誰も支援を届けてはくれないのです。

誰も伝えてはくれないのです。

イベントの最後に、質問を紙に書く機会を頂いたので、ずばりレバノンのシリア難民支援についての日本の取組みはどのようなものがあるのか、聞いてみようと思い書きましたが、採用されませんでした。

採用されなかった代わりに、この日の登壇者以外で会場に来ていたシリア問題に取り組んでいる方々へ少しづつ話す時間が与えられていました。

シリア問題を池上彰と一緒に取材しているテレビ東京のジャーナリストや、難民フォーラムの方が発言の機会を与えられていました。

シリアの大使やヨルダンの書記官からは、深刻さの訴えだけでなく、日本への感謝を述べられておりました。

驚いたのは、ワールドビジョンジャパンです。
少しだけ話す時間をもらったワールドビジョンジャパンは急に声を震わせ、泣きはじめ、募金プログラムの紹介までこぎつけようと、随分と長く話そうとしたところを司会に制止されました。

World Visionの活動は魅力的なものも多いですが、資金調達機関のワールドビジョンジャパンは嫌いだなーと、改めて思いました。

最後はジャパンプラットフォームの事務局長さんがうまく閉めておりました。

紛争下で育つ子供たちの未来は決して明るくなく、将来を想像させる存在の周囲の大人の大半が兵士であったり、無職で貧しさに喘いでいる。

人のために一生懸命働く支援関係者の姿は、子どもたちに、「いつか自分も困っている人を助けたい」というような将来像を描くきっかけにもなっている。

そんな価値感を持つ人が育てば、世界はもっとよくなるのではないでしょうか、ということでした。

3時間のシンポジウムで、4回くらい涙が出そうになりました。

メディアが伝えてくれない分、意見を共有しあうシンポジウムはかなり意義深いものでした。

素晴らしいイベントでした。
また国内でシリア関連のイベントがあれば、どこへでも行ってこようと思います。





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2014年5月22日木曜日

今も窮状に喘ぐシリア難民を忘れていく先進国の私たち(1)


517日(土)、国連難民高等弁務官駐日事務所(UNHCR Japan)とジャパン・プラットフォームの共催で、



『シリア危機 失われた世代にしないために ~子供たちの現状~』


というシンポジウムが国連大学で開催されたので、出席してまいりました。





僕とシリア問題との関わりは20142月のこと。

レバノンのシリアとの国境地域で、ボランティアをしておりました。

時に0℃を下回り、雪の積もる極寒の山岳地帯にて、シリア難民の皆さんと生活を共にし、支援物資の配達をしたり、一緒にテントを建てたりしました。

今でも団体の皆さんや、シリア難民の高校生たちとWhatsAppなどで頻繁に連絡を取っています。





20142月、当時はジュネーブでの和平交渉がもつれにもつれ、シリア国内では争いが激しさを増し、難民が爆発的に増加しておりました。



結局、和平交渉でシリア危機を終結させるための決定に至ることはなく、常任理事国、国連や国際NGOを含め、国際社会の無力さ、機能不全が露わになり、この戦争がどうにか終わって欲しいと願う人達に絶望感を与えました。


しかしながら、いくつかの合意?が発表されております。


人道支援の邪魔をしないこと、人口密集地帯での無差別攻撃を止めること、などがそれです。



記憶が正しければ、国際NGOや各国メディアに対しては、シリア問題への国際社会の関心をさらに高めるように働きかけていくように、という内容のこともジュネーブでは話されていたと思います。




大規模な国際NGOの動きはずっと観察していますが、やはりシリア問題を一生懸命伝えようとしている姿勢をうかがうことができました。



しかしメディアの動きはどうでしょうか。


中東メディアは相変わらず熱心にシリア問題をレポートしています。

欧米メディアは、ウクライナ情勢を報じる割合が増えてきており、シリアへの関心が下がってきています。

日本のメディア、全くシリア情勢を伝えなくなりました。



今世紀最悪の人道危機と呼ばれるシリア問題、その状況は何一つ改善されていないのに。



だからこのシンポジウムで、日本のシリア問題との向き合い方における今の温度を感じたいと思い、福島から東京まで行ってきたのです。




会場には、学生や一般の他に、NGO関係者やメディア関係者の姿もありました。
300人くらいが来ていたと思います。



最初に、マイケル・リンデンバウワーUNHCR日本事務所代表さんのお話がありました。

国内難民が650万人いて、国外にも260万人が避難していて、支援は届かず悲惨な状況であるとのこと。

特にこのシリア危機が長引くことによる子供たちへの影響について訴えており、現在シリアで起きていることは、今世紀で最悪の人道危機であることが、よく伝わってきました。





続いて、衆議院議員の逢沢一郎(UNHCR議員連盟会長)さんのお話がありました。

シリア難民への積極的な支援について、踏み込んだ動きをとっていきたいという強い思いが伝わってきました。

そして、シリア関連の報道が少なくなってきていることにも気づいておられました。


「シリア難民を日本へ受け入れること」については、特に、難民の窮状を知っている人にとっては、本気で取り組んでもらいたいと願っております。その願いを理解されておりますが、政府としては慎重なのだそうです。


次に岸田外務大臣からのメッセージを上村司さん(外務省中東アフリカ局長)が代読されました。


シリア問題が国際社会にとって大きな関心ごとであるという認識を示され、日本がシリアや周辺国への支援を増やしてきているという実績を強調されておりました。


また、子どもの心的ケアの重要性や、教育ブランクが生じることへの懸念を表明されておりました。



次に衆議院議員の小池百合子さんからのメッセージが代読されました。

あまり印象に残るようなことはありませんでした。




次に、セーブザチルドレンが作った動画が紹介されました。


既に何度も見ていましたが、何度見ても心に刺さります。




舞台はロンドンですが、紛争が子どもに与える影響について、私たちは感じることができます。





その後に勝間靖(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)さんの「武力紛争下における子供への人道支援」というテーマでの基調講演がありました。


「人道支援」というものの役割や、国際的な判断基準や、歴史、人道支援の調整などの機能、優先されるべき支援、については、新たに学んだことが多くありました。




我々にとっては、難民の数などの統計の話を聞いても、実際にイメージは湧きにくいけれど、

「一人一人の生活や基本的人権が脅かされていることに想像力を働かせることが必要」

だとおっしゃっていました。まさにその通りだと思います。



以上が第一部の内容でした。



第二部では、実際に現地で活動されておられるNGOの職員や政府関係者による報告が行われ、今現地で何が起きているのかについての理解を深めることができました。



既に長くなりましたので、続きは改めて書きたいと思います。





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2014年5月12日月曜日

高校生アフリカ貧困会議プレイベントへの参加

5月10日

高校生アフリカ貧困会議のプレイベントで喋ってきました。

代表の高校生から講演のお話をいただいたのは先月のこと。

自分の見てきたことを少しでも多くの人に知ってもらいたいと思っているので、僕にとっても、すごくありがたいことでした。

前日に山口から東京まで移動してきました。


場所は、明日が変わる授業で有名な、都内のASUKAWAスタジオ。



50分間の講演の中で、

アフリカの貧困の基本情報
・飢餓の深刻さと原因
・平均寿命の低さ
・エイズ
・教育
・インフラ
・格差  など

について話し、

実際に行ってきた、

・南アフリカのソウェト
・ジンバブエ農村部
・キベラスラム
・エチオピア

での自分の活動について、現地の抱えている問題や事情を写真や動画で伝えてまいりました。


皆さん、メモを取りながら一生懸命聞いてくれていました。


すごくいい質問もたくさんいただきました。



その後、

日本人のアフリカ貧困問題への意識を高めるには?

というテーマでの高校生6チームの発表を聞き、コメントをさせていただきました。


個人的にすごく興味のあるテーマでした。

発表のレベルも高くて感心しました。



無関心な人を巻き込んで行くためのポジティブな見せ方を追求していたり、
透明性や感動を見える形で表現するためにSNSを使ったり、スマホやアプリを利用する方法などを追求していたり、
考える時間を作らせることに目を向けていたり、

どのチームのアイディアも素晴らしかったです。



最後にみんなで写真を撮りました。







帰る前に、お土産と運営チームからの寄せ書きを頂き、とても心が温まりました。






今後も、世界の貧困を1人でも多くの人に伝えるために、講演や執筆に取り組んでまいります。


講演の依頼は、お気軽にお問い合わせください。




本日、福島へ移動してきました。
今日から拠点は福島にしますので、福島の方もよろしくお願いします。








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2014年5月4日日曜日

【ハイチ】風化した最貧国の震災。テント生活者を襲うハリケーンと強制撤去問題

20101月、ハイチを大地震が襲いました。

地震の前から、西半球で最も貧しい国と言われていたハイチ。

伝わってくるニュースや映像は衝撃的で、痛々しいものでした。

(Photo by Ben Depp, 2011  - Under Tents Haiti)


316,000人が死亡し、150万人以上がホームレスになりました。


当時は、「インフラの壊滅」「国家機能の麻痺」「遺体の山」「伝染病の大流行」「略奪」「強姦」など、身の毛のよだつ恐ろしい状況であることが伝えられておりました。




あの大地震から4年が経っております。

いつからでしょうか?我々の耳にハイチの危機的な状況が伝わって来なくなったのは。




ハイチは見捨てられたのでしょうか。








今も30万人以上のホームレスがおり、劣悪な環境のテントキャンプなどで生活をしています。



テントで生活していることや、家のクオリティが低いことを可哀想だと、決め付けるのは先進国的な見方なのかもしれません。



しかし、実際にテントキャンプへ行ってみると、多くのストレスを感じながら生活していることが分かりました。


暑さ、蚊などの虫、空腹、不衛生さが、ストレスの主な要因です。

住民同士のトラブルも頻繁に起こります。


特に女性は、家事や子供の世話でストレスを感じていることも多いのです。

女性同士の掴み合いの喧嘩はよく起こります。


女性同士の喧嘩の果てに、相手のテントを引きちぎってしまうところを見たときは、とてもショックでした。



そして、ハイチは頻繁に豪雨やハリケーンの被害に遭います。











そして、私有地に建てられたテントを強制撤去する動きがあります。








これらは4年経った今、実際に起きていることです。



ハイチの難民キャンプCapvvaでの支援活動と、強制退去を逃れるための移転計画を、今後も応援していきます。








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